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” 育休中のリスキリング(学び直し)” に関するアンケート結果

2023/02/14 11:20:43 / by 株式会社wiwiw編集部

2023年1月27日の参院代表質問において、岸田首相の“育休中のリスキリング(学び直し)”に関する答弁が注目を浴びています。SNSでは、子育てとリスキリングの両方を女性に強要する政策なのではないかと、大きな反響が起こりました。
そこでwiwiw(ウィウィ)では、実際の産育休者の生の声を聴き、リスキリングの必要性をどのように感じているのか、学び直しの実施状況はどうなっているのかを把握するため、育児休業者向けのクラウドサービス「キャリアと育児の両立支援プログラム」の利用者を対象に、アンケートを実施いたしました。当事者の声からは、育休中に求められている支援や、職場復帰後の課題が浮き彫りとなりました。

■アンケート回答者数:wiwiwキャリアと育児の両立支援プログラム利用者253名(男性7名、女性246名)

■回答者属性

図1アンケート回答者2-1

■アンケート実施日:2023年2月3日~2023年2月6日

■アンケート形式:ウェブアンケート

アンケート結果による提言

今回の首相の発言は、とくに産休や育休期間中はキャリアから離れることをふまえた支援として、「主体的にリスキリングに取り組む方々を後押しする」という趣旨でした。しかし、アンケート結果からは、世論と同様、育休中は家事育児の多忙さや睡眠不足から学び直しは難しいという声が非常に多く、改めて家事育児の負担が女性に偏っていることの課題が浮き彫りとなりました。

言い換えると、今回の発言に対する多くの批判や戸惑いの声は、当事者や周囲がもつ「女性は育休中に一人で家事・育児をするのが当たり前」というバイアスや、「女性が家事・育児を一人で抱え込まざるをえない状況におかれていることも少なくない」といった問題の現れとも言えます。

一方、復職後の両立、キャリアへの不安や、世の中の急速な変化や働き方の多様化から、リスキリングの必要性を感じている様子も多くうかがえました。

国からの「育休中にリスキリングを」という声をプレッシャーに感じる方も少なからずいますが、リスキリングにはキャリアへの不安を払拭し、後押しするメリットがあります。

環境や考え方はそれぞれですが、誰もが学び直しをしたいときにできるような制度、支援、環境づくりが求められています。

設問と回答結果

※本アンケートでは、(産前)休業前の方は予定を、復職済みの方は実際の結果を回答しています。

 

Q. リスキリングの必要性について

リスキリングの必要性の有無については、54.5%が「必要だと思う」と回答し、ほぼ半々の回答となりました。
回答者のうち、復職後の方では6割以上が「必要だと思う」と回答し、復職後の経験から学び直しの必要性を感じている声が多く伺えました。


また、「育休中は育児に専念したい/すべき」という声がある一方、必要だと思う/思わないといった意見にかかわらず、“リスキリングのためには企業や国の支援が必要”という声が多く目立ちました。

 

図2リスキリングの必要性

設問:あなたはリスキリングが必要だと思いますか?

 

図2-2リスキリングの必要性

設問:あなたはリスキリングが必要だと思いますか?(回答者属性別)

 

<フリーコメント抜粋> 

☆「必要だと思う」

  • キャリアの選択肢を増やすためにもリスキリングしたほうがよい。
  • 時代や環境の変化に適応していくため。
  • 産後スムーズに仕事復帰するためには必要だと思う。そのためには会社としてのサポートも必要だと思う。
  • 復帰後は育児、家事に加えて、仕事もこなさなければならず、育休中よりもスキルアップに費やす時間の確保は難しい。
  • 子育て期は多くの方にとってキャリア形成に重要な時期でもある。勉強時間を確保することで寝不足が続いたり子どもとの時間が減ったりとデメリットも多いので、リスキリングが必要というよりはキャリアについて考える機会が必要だと思う。
  • 子どもだけと向き合うことで産後うつなどを発症してしまうなどのリスク回避にも繋がることを期待。パートナーの育児参画を促すきっかけにもなる

☆「育休中のリスキリングは必要だとは思わない」

  • プラスになるが、必須とは思わない。(育休中は)子どもとの時間や育児における課題解決、自身のケアが最重要だと感じる
  • 子どもとの時間の使い方は人それぞれで、リスキリングもそれぞれだと思う。
  • 子どもの性格や育児環境はそれぞれなので、やることが当たり前になっていけないと思う。
  • リスキリングをしなければいけないという焦りからストレスを生み出すように感じる。
  • 何か学ぶこと、学び直すことは大事だと思う。しかし、決して無理する必要はなく、人それぞれの育休の過ごし方があると思う。

☆「育休中かどうか、必要性の有無にかかわらず求められていること」

  • リスキリングは休業中問わずいつでも必要だと思うので、誰もが好きなタイミングでできるような制度を作るべき。
  • まずは学び直しに挑戦しようと思える環境を整えることが先ではないかと思う。
  • 学び直しよりも託児所やベビーシッター利用の促進、スムーズな職場復帰へのサポート策の充実を検討していただきたい

設問:あなたはリスキリングが必要だと思いますか?の回答の理由。

Q. 産前産後休業・育児休業中の学びの時間確保と頻度について

半数以上の方が、産休・育休中は何か学びのための時間を使っていないと回答し、休業中の家事・育児の多忙さが改めてうかがえました。

 

図3学びの有無

設問:産前産後休業・育児休業中に、何か学びのために時間を使っていますか?

 

また、「はい」のうち6割程度が週に1回以上、学びのために時間を使っていると回答しています。

 

図3ー2学びの頻度

設問:産前産後休業・育児休業中に、何か学びのために時間を使っていますか?(頻度)
産前産後休業・育児休業中に、何か学びのために時間を使っていると回答した117名の学びの頻度

 

上記設問に対する、学びのための時間を「使っている」「使っていない」と回答した理由(以下フリーコメント)からは、復帰後を見据えたキャリアアップへの意欲、ワンオペ育児の過酷さ、貴重な子どもとの時間を大切にしたいなど、さまざまな思いや状況が読み取れました。

 

<フリーコメント抜粋> 

☆学びのための時間を「使っている」理由

  •  一人目の復帰時に苦労したので、二人目育休明けまでに仕事やキャリアを振り返りたいと考えたから。
  • 復職すると、仕事→育児家事→仕事のサイクルで学ぶ時間ないと思ったから。
  • 復職した際に何か自分でこれは努力したという結果を残したいため。
  • 出来ること出来ないことを子どものせいにせず、自分の人生もしっかり楽しむために、今の環境でできることをしたいと思ったから。
  • 育児休業中は一旦会社の業務から離れるからこそ、キャリアアップのための資格取得や自分自身の興味のある学びに集中出来ると思ったから。
  • 社会からの孤立感を感じ、育休中もキャリアの差を埋めたかったから。

☆学びのための時間を「使っていない」理由

  • 実際はワンオペで子どもの世話、その合間を縫って家事、自分の睡眠と、育児と最低限の生活をするので精一杯
  • 初めての子育て、両親とも自宅の距離が離れていることもあり、自身の学ぶための自由時間の確保は難しい。
  • 育児について調べたり知識を習得したりすることに集中している。
  • できればこの貴重な時間を子どもとゆったり過ごしたいと思い、子どものとの時間を優先した。

設問:産前産後休業・育児休業中に、何か学びのために時間を使っていますか?の回答の理由。

 

Q. 学びに使う時間(月平均、時間単位)

学びに使う時間は、約6割が月に5時間以内、約3割が6~30時間と回答しました。(中央値4時間)

 

図4学びに使う時間

設問:どのくらいの時間、学びに時間を使っていますか?(月平均、時間単位)
※回答者:設問「産前産後休業・育児休業中に、何か学びのために時間を使っていますか?」で「はい」と回答した117名

 

Q. (産前)休業開始後、学びを開始する時期

約4割が(産前)休業開始後、1ヵ月以内に学びを開始していると回答しました。(平均3.5ヵ月後)

図5学びを開始する時期

 

設問:(産前)休業開始何ヵ月後くらいから学びを開始していますか?
※回答者:設問「産前産後休業・育児休業中に、何か学びのために時間を使っていますか?」で「はい」と回答した117名

 

Q. 学びの内容

ITスキルや語学、キャリアや育児両立に関する学びのほか、資格取得にむけた学びが多く回答されました。

 

図5学びの内容

 

設問:何について学んでいますか?(複数選択可)
※回答者:設問「産前産後休業・育児休業中に、何か学びのために時間を使っていますか?」で「はい」と回答した117名

 

Q. 学びの形態

本やeラーニング、セミナーのほか、オンラインコミュニティやアプリ、通信教育、大学院など、それぞれの目的、スタイルに合う多様な方法で学んでいることがわかりました。

 

図6学びの形態

 

設問:学びの形態を教えてください。(複数選択可)
※回答者:設問「産前産後休業・育児休業中に、何か学びのために時間を使っていますか?」で「はい」と回答した117名

 

 

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Tags: 女性活躍, 仕事と育児の両立

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